- 94歳まで現役理容師として働き続けた加藤寿賀さんの半生と人生哲学を綴った『なぜ、はたらくのかー94歳・女性理容師の遺言』。
- 関東大震災や戦争を生き抜いた加藤さんの言葉から、働く意味と生きる喜びを学ぶ感動の本。
- 「人のために尽くす」ことの大切さや、苦難を乗り越える力、感謝の心など、現代を生きる僕たちへの深いメッセージが詰まった一冊を紹介。
こんにちは!たろりすだよ🐿️📚
今日は、加藤寿賀さんの『なぜ、はたらくのかー94歳・女性理容師の遺言』という本を紹介するよ。
この本は94歳の理容師・加藤寿賀さんの半生と、長年の仕事から得た人生訓が詰まった感動の一冊なんだ。15歳から94歳まで理容師としてひたむきに生きた加藤さんが伝えたかったこととは?
一緒に、加藤さんの深い思いに迫っていこう!
『なぜ、はたらくのか』3つの魅力
1. 94年の長い人生の物語
この本の最大の魅力は、加藤さんの波乱に満ちた94年の人生そのものを、生き生きと描き出しているところだね。
関東大震災、第二次世界大戦、東京大空襲など、激動の時代を生き抜いてきた加藤さんの姿が、臨場感あふれる筆致で綴られていくんだ。
十五歳から九十四歳まで、「はたらき」続けた女性がいたことを。その人は理容師でした。
『なぜ、はたらくのかー94歳・女性理容師の遺言』
まさに「伝説」とも言うべき加藤さんのドラマチックな半生は、読む者の心を強く揺さぶるんだ😢
2. 仕事への真摯な思いが詰まったエピソード
もう一つの見所は、理容師としてのプライドと使命感を持ち、ひたむきに仕事に打ち込んできた加藤さんの姿勢が随所に感じられることなんだ。
「来てくださるお客さんがいる限り、まだまだ修業させてもらわなくちゃ。ハッハッハッ」そう言って、大きな声で笑う。
『なぜ、はたらくのかー94歳・女性理容師の遺言』
お客さんのためを思い、髪を切る技術を日々磨き続けるーー。
そんな加藤さんの仕事への真摯な思いが、一つ一つのエピソードから伝わってくるよ。
3. 心に響く「加藤さんの言葉」の数々
そして何より心に残るのが、各章に記された加藤さんの教え😌
シンプルでありながら胸に染みる、生きるヒントに満ちた言葉の数々なんだ。
「やることがいっぱいある」それが、寿賀さんの口癖だった。やることがなくなったら人は終わり。そう自分自身に言い聞かせているようでもあった。
『なぜ、はたらくのかー94歳・女性理容師の遺言』
苦労や悲しみに向き合う強さ、前を向いて生きる逞しさ、感謝の心を大切にする優しさ……。
加藤さんの生き方そのものから滲み出る、心の教えの数々は、今を生きる僕たちにも大いなる示唆を与えてくれるよ✨
「はたらく」ことの本当の意味とは?
本書を読み進めていくと、加藤さんが「はたらく」ことにかける思いの深さに、感銘を受けずにはいられないんだ😌
人間はなぜ、”はたらか”なくてはいけないか?それは「端を楽させる」ためなんです。つまり、「はたをらく」に、で「はたらく」。周りの人たちを楽させる、楽しませるために”はたらく”ということ。
『なぜ、はたらくのかー94歳・女性理容師の遺言』
ここで加藤さんは、「はたらく」の語源は「端(はた)を楽にする」ことにあると指摘してるんだ。
つまり、働くとは周りの人のために尽くすこと。それこそが、人生の本当の意味だと説いているわけだね。
この指摘は示唆に富んでるよ!現代は、自己実現や経済的豊かさを働く目的とする人が多いけど、加藤さんは言うんだ。
「自分のためだけにはたらく」なんて、続かない。「誰かのために」と思ってきたから、94歳まで理容師を続けられた、ってね。
「自分のためだけにはたらく」なんて心持ちでいたら、今まではたらき続けることなんてできなかった。「誰かのために」と思ってきたから、私自身、はたらかせていただくことができたんです。
『なぜ、はたらくのかー94歳・女性理容師の遺言』
ここには、働くことの本質的な意味合いが示されていると思うな。
加藤さんの言葉は、自分本位になりがちな現代人の働く意識に、大きな問いを投げかけているように感じるよ。
激動の時代を生き抜いた、不屈の精神
また、加藤さんの半生からは、どんな苦難にも屈しない、しなやかでたくましい精神力を感じずにはいられないよね。関東大震災、第二次世界大戦、夫の死、東京大空襲……。
加藤さんの人生は、まさに苦難の連続だったんだ。
特に、東京大空襲で店と家を失い、二人の娘を抱えてさまよった経験は、生々しく胸に迫るものがあるよ。
店も家も焼けてしまったけど、落胆している暇なんてありません。主人が出征していますから、主人の両親と義弟の家族、それに自分の子ども二人、みんなを私が養わなくてはいけなかったからです。
『なぜ、はたらくのかー94歳・女性理容師の遺言』
家族を養うため、焼け野原を「頭を刈らせてください」と頭を下げて回った加藤さん。その姿からは、母親としての強さと、職人としての矜持が感じられずにはいられないよ😌
同時に、どんなに苦しくても悲しくても「はたらく」しかなかった、という加藤さんの言葉は、胸に突き刺さるものがあるよね。
苦しくても悲しくても「はたらく」しかなかった。私の選択肢は「はたらく」ことしかなかった。
『なぜ、はたらくのかー94歳・女性理容師の遺言』
苦しいからこそ味わえる幸せがある。加藤さんは、そのことを教えてくれてるんだ。
戦争の悲惨さ、平和の尊さを訴える
加藤さんの半生で、もう一つ忘れてはならないのは、戦争の悲惨さと平和の尊さを、身をもって伝えようとしていることだよね。
B9が飛び交う空の下、炎が這う中を逃げた恐ろしさは、一生忘れられない。真っ赤な空、火の海、たくさんの無残な死体―――。
『なぜ、はたらくのかー94歳・女性理容師の遺言』
東京大空襲の惨状を生々しく伝える加藤さんの言葉は、平和な現代を生きる僕たちの心に、戦争の恐ろしさを深く突き付けるんだ。
そして、その悲惨な体験ゆえに、加藤さんは熱心に平和を訴えるわけだよ。
「アメリカのしたことは、決して許せない。でも、もう恨みません。その代わり、もうどこの国に対しても、こんなひどいことをしないでください」そう大きな声で言いたい。それを伝えるのが地獄の縁を生き延びてきた私どもの務めなのですから。
『なぜ、はたらくのかー94歳・女性理容師の遺言』
「戦争の愚かさを伝えること」こそ、戦禍を生き延びた者の使命だと、加藤さんは語ってるんだ。
僕たちは、その言葉の重みをしっかりと受け止めなければならないよね。
本書の長所と短所 総合評価
この本の素晴らしいところは、94年に及ぶ加藤さんの壮絶な半生と、そこから得た深い人生の教訓が、臨場感あふれる筆致で描かれていることだと思うな😊
一方で、文章が会話調で書かれているため、時系列が前後したり脱線したりして、やや読みづらい印象も受けたんだ🤔もう少し時系列を整理したり、テーマごとにまとめるなどの編集があればよかったかもしれないね。
また、戦中・戦後の理容師の仕事ぶりなど、もう少し具体的なエピソードがほしかったな。理容の技術をどう学び、どう高めてきたのか。もっと理容師としての話が聞きたかったよ。
とはいえ全体としては、94歳の理容師の半生と思いが凝縮された、他に類を見ない稀有な一冊だと思う。加藤さんの前を向いて生きる強さと優しさに、深く心打たれる作品だよ。
総合評価は、★★★★☆(5点満点中4.5点)!
『なぜ、はたらくのか』から学ぶ、人生の心得7か条
さて最後に、この本から学べる教訓を、僕たちの人生にどう生かせるか考えてみようか。
- 人は「人のために働く」ことで、生きる意味を見出せる
加藤さんが教えてくれたように、働くとは「人のために尽くすこと」。その思いを持てば、どんな仕事も生きがいを持って取り組めるよね。 - つらいときにも、笑顔を忘れない
どんなに苦しくても、人前では笑顔を絶やさなかった加藤さん。つらいときにこそ、笑顔を作る強さが大切だよ。 - 「やることがいっぱいある」と自分に言い聞かせよう
94歳まで現役を続けた加藤さんの口癖は「やることがいっぱいある」。前を向いて生きる原動力は、「やるべきこと」を見出すことなんだ。 - 苦労は人を磨き、人生を豊かにする
苦労は避けて通れないもの。でも加藤さんは言うんだ。「苦労すればするだけ、人間を磨ける」って。前向きに受け止めようね。 - 戦争の悲惨さを語り継ぐのは、生き残った者の務め
戦禍を生き延びた加藤さんにとって、戦争の愚かさを伝えることは使命だった。平和の尊さを語り継ぐ。それが僕たちの務めでもあるよ。 - 「おかげさま」の心を忘れない
加藤さんの言葉には、常に「おかげさま」という感謝の言葉が添えられるんだ。苦しいときにも感謝を忘れない。それが道を開くんだって。 - 「昨日より今日がよかった」と言えるように生きる
最後まで理容師を続けた加藤さん。それは「昨日より今日がよかった」と言える喜びを、死ぬまで味わい続けたかったからだろうね。
94年の生涯をひたむきに生き抜いた加藤さんの生き方は、老いも若きも、今を生きるすべての人に、深い感銘を与えずにはおかないよ。
印象的だった言葉3選
人間は誰でも、自分の心に恥じない、立派な生き方をしなくてはいけません。それは、収入が多くても少なくても同じ。
『なぜ、はたらくのかー94歳・女性理容師の遺言』
人の価値は、働いて得るお金の額ではなく、そのお金でどれだけ真っ当に生きるかで決まるんだって。染みる一言だよね。
どんなにつらいことがあっても、お客さんの前では常に笑顔。それがプロってもんです。
『なぜ、はたらくのかー94歳・女性理容師の遺言』
プロとは、どんな境遇でも笑顔を絶やさないということ。加藤さんから学ぶ、プロ根性だね✨
「昨日より今日がよかった」と言えるように生きていきなさい。
『なぜ、はたらくのかー94歳・女性理容師の遺言』
常に今日が昨日より良くあろうと努力する。それが加藤さん流の生き方の極意なのかもしれないな。
まとめ:理容師94歳・加藤さんが伝えたかったこと
「なぜ、はたらくのか」──本書のタイトルに込められた加藤さんの思いは、ひとえに「人のために生きること」に尽きるのではないだろうか。
幼い頃の関東大震災、夫を失った悲しみ、戦禍に遭った苦難……。
加藤さんの人生は、波乱に満ちたものだったんだ。
それでも加藤さんは言うんだよ。
「苦しくても悲しくても『はたらく』しかなかった」
「自分のためだけではなく、誰かのためにはたらくから続けられた」
「生かされているだけでありがたい」
人は一人では生きられないんだ。
誰かのために働き、誰かに支えられ、誰かを思いやる。
そうやって生かされているのだと。
加藤さんは、そのことを身をもって教えてくれたんだよね。
現代はどうだろう。
効率や成果ばかりが求められ、ともすれば疲弊することも多いように思う。
でも加藤さんは言うんだ。
「こんな世の中だから、と嘆かないで。蓮の花のように、泥の中でもきれいな花を咲かせましょう」って。
たとえ世の中が荒んでいても、一人一人が誠実に生きれば、社会は良くなっていく。
加藤さんは、そう教えてくれているんだよね。
そして何より、「人さまに喜んでいただくことが、何よりの幸せ」と言い切った加藤さん。
人のために尽くすことを何より喜びとした、加藤さんの生き方こそ、僕たちが本当の意味で学ばなければならないことなのかもしれないな。
「なぜ、働くのか」
その答えは、「人のために生きるから」
理容師94歳・加藤さんの深いメッセージを、僕たちの心にしっかりと刻もう。
じゃあまたね〜✋
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